
最近は殆ど「映画」を観ていない。
「国宝」という映画が話題になり、家族や知り合いの人が
かない観に行っていたが、余り関心が無かった。
所が、ある出来事があり、映画を今週の火曜日に観に行った。
タイトルは「1975年のケルン・コンサート」で現在も上映されている。
初めて、何かでこの映画のタイトルを目にした時、キースジャレットが映画になっているんだ、とチラッと意識したに過ぎなかった。当然、映画も見るつもりもなかった。
そのきっかけは、つい先日、私の所属した外科の大先輩の教授の先生から封書が届いたのです。
年賀状は交換させて頂いていたのですが、30年くらいお会いしたことが無いので、何だろうと少し緊張しながら封を切りました。
手紙の内容は、1980年頃、宴会の後にその先生のお宅に数人でお邪魔した際に、立派なステレオが置かれていました。私は先生にLP版の「ケルンコンサート」をプレゼントさせて頂きました。その事を覚えておられてくださり、「今まで、クラシックが主体でアメリカ物は歌手が少々でした。貴兄に頂いたキースジャレットのピアノ曲は、私の音楽に対する固定観念を打ち破るものでしが。・・・」と書かれていました。文章の最後に、この映画を観に行かれたと触れておられました。
この事を教えて頂いた大先輩の教授に感謝です。
この「ケルンコンサート」には私も思い出があります。当時、非常勤で勤めていた相模原の病院の昼休みに、近くのレコード店に時々レコードを探しに足を運んでいました。ある時、そのレコード店でいつものようにレコードを探していたら、店の音楽に何とも言いようがないピアノ曲が流れていたのです。暫く聞きほれた後、店員さんに「この曲、何という曲ですか?」と尋ねた時に、教えて頂いたのが、衝動買いで求めた「ケルンコンサート」でした。
このLPは奇跡的に生まれた、とだけはジャケットに書いてあったので覚えています。
映画は無論脚色していますが、いつくかの話しは事実だったことが分かりました。
それは、
18歳の少女が主催: まだ高校生だったヴェラが、憧れのキース・ジャレットをケルン・オペラハウスに呼ぼうと奔走したこと。
最悪のピアノ: 当日、会場に用意されていたのはリクエストしたスタインウェイではなく、ボロボロで音も狂った練習用の小型ピアノ(ベビー・グランド)だったこと。
キースの拒否: あまりのピアノの酷さに、キースが一度は「演奏しない」と会場を去ろうとしたこと。
土壇場での奇跡: ヴェラの必死の説得により、キースが「君のために弾くよ」とそのピアノで演奏し、それが結果としてジャズ史に残る名演となったこと。
後に「キース自身、後にこの夜を振り返って「あんなにひどいピアノでなければ、あのような演奏にはならなかった」と語っています。
その教授の封書が私の懐かしい記憶を呼び戻し、キースの即興演奏は催眠状態、トランスの状態で弾いていた。それが聴く人を催眠状態へと誘ってくれるのだ。
ザ・ケルン・コンサート:https://www.youtube.com/watch?v=Pd_Kti6jvy8


