人生には、ときどき不思議な“出会い”があります。
予定していたわけでも、計画していたわけでもないのに、
どこかで必然のように人と人との出会いがありますよね。
そして静かに、でも確実に、人生が変わっていく。
私は思うのです。
そうした“出会い”の殆どは、私たちの「意識」ではなく、
もっと深い、見えない“底”で起きているのではないかと。
私たちの心には、
ふだん意識されていない広大な世界があります。
そこは潜在意識とも、無意識とも呼ばれています。
村上春樹さんの小説にたびたび登場する
「井戸」や「暗い地下室」のような所です。
静かで、孤独で、でも何か大切なものが漂っている場所です。
そこには、抑え込まれた感情や、忘れられた記憶、
言葉にならなかった願い、癒されていない痛みがあり、
それらは私たちの行動や判断に、見えないかたちで影響を与えています。
表面的な会話や肩書では届かないところで、
同じ痛みを知っている者同士が、
あるいは似たような記憶を抱えている者同士が、
言葉にしなくてもわかり合える。
そんな静かな共鳴が、底の世界にはあるのです。
催眠療法という手法もまた、
この“見えない底”へと降りていくための、ひとつの扉です。
そこでは、忘れていた感情と再会し、
気づかぬうちに心を縛っていた信念に光を当て、
そして時には、誰か大切な存在との“再会”が起こることさえあるのです。
人は意識で生きているように見えて、
本当は、無意識の“底”で出会い、
つながり、変化していく存在です。
偶然のように見える出会いも、
どこか深いところで“呼び合っているのです。
そして、そうした出会いこそが、
私たちの日々の人生を形作っていくのですね。
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