2022.12.14

あるがん患者さんと食事

おはようございます。
窓からの景色は快晴ですが。
上高地は吹雪いていますね。

がん患者さんと食事のことが
ふと思い出されました。

この話は私が実際に勤務していた
時のお話しです。

年配の男性のがん患者さんが入院されていました。
病状もかなり進んでいて、食事が摂れない状態だったのです。

ですから、点滴で命をつないでいたのです。

個室に入院されていて、ご家族がよくお見舞いに来ていました。

家族の方が食事の話しを食事ができない患者さんに話していました。

「あそこのレストランの、いつも頼んでいた料理を皆で食べたの」

こんな風に料理の話しを楽しそうに、その患者さんにはなしていた
のです。

食べられない患者さんもニコニコして聞いてそれを
楽しんでいる様子でした。

普通、患者さんが食事ができない状態だと
家族の方も余り食べ物の話はしないのが一般的です。

それが普通のご家族の患者さんに対する心配りですね。

でも、その患者さんは違っていました。

私はその患者さんとは食事の話しはしませんでした。

ただ、楽しそうにご家族の食事の話しを聞いていました。

私たちの考え方は二つの種類があり、一つは周りの人が
喜ぶことに意味を見いだしている。利他的ともいえますね。

もう一つは、自分中心で常に自分から見た世界で生きている。
「私が食べられないのに、食事の話しをするなんてけしからん」
利自的ともいえますね。

どちらの生き方にもそれぞれ長短があります。

ふと、食事の話しが浮かんできました。

心の仕組みに関心のある方は
12月27日の​この会​でお会いしましょう。