「催眠って本当に科学的に説明できるの?」という疑問、
よく伺います。
催眠は単なるリラクゼーションではなく、
実際に脳や心理に measurable な変化をもたらすことが、
研究によって示されています。
脳波の変化(EEG研究)
催眠状態では アルファ波(7.5–14Hz) や シータ波(4–8Hz) が顕著に増加し、
ベータ波(覚醒・理性的思考) は減少する傾向があります。
これにより、「集中しつつリラックスした心の状態」が脳に現れます。
高い催眠反応性を示す人ほど、
左脳半球にシータ波の増加が確認されています。
システマティックレビューでも、
催眠に伴う脳活動パターンの変化が多数報告され、
視覚的集中や感情の制御に関連する脳領域(ACC、insula、前頭前皮質)
の機能変動が確認されています。
心理的・生理的効果(痛み・不安軽減)
系統的レビューによると、
高い催眠感受性を持つ人では、
痛みが臨床的に意味あるレベルで 42%(p<0.001)の軽減、
中程度の感受性でも 29%(p<0.001)の軽減が報告されています。
医療現場で催眠を補助的に用いた研究では、
急性痛に対し標準治療よりも有意に痛みが減少し、
モルヒネ同等量(OME)も統計的に有意に少なかったという結果があります(効果量:0.54、p=0.0024)。
ただし慢性痛には効果が限定的でした。
別の研究では、「催眠を併用した群が、通常ケアや待機リストに比べ
痛みをより軽減した」という報告があります。
催眠は「有効かつ安全な補助療法」である可能性が示されています。
ただしさらなるエビデンスが求められています。
医療応用の実例
米国内外の臨床ガイドラインでも、
催眠療法は過敏性腸症候群(IBS) や 分娩時の痛み軽減 などに
「補助的に推奨」されています。
催眠状態は、脳のリズムに measurable な変化をもたらし、
心理・生理にポジティブな影響を与えることが研究で示されています。
特に 高度な催眠感受性を持つ人にとっては、
痛みの軽減など明確な効果 が期待できると報告されています。
次回はこの催眠を実際に受ける際に必要な「心構え」についてお話しします。
9月6・7日(土・日)10~19時
「催眠療法基礎セミナー」
ここからが催眠のスタートです。