
ヒプノセラピストが催眠療法の基礎を学ぶと、
暗示療法によってクライアントさんの習慣が
変化することを体験されます。
一方で、「習慣はうまく行っても、悩みの解決にはならない」
「変化が日常の表面的」といった感覚を持つ方も少なくないのです。
その理由は、問題が現在の意識で形成されたものではなく、
幼少期の体験における“無意識の体験”に根ざしているからです。
年齢退行療法は、単に過去を思い出す技法ではなく、
その体験が生まれた意識の深度に戻り、
当時の感情や思考を安全に再体験するプロセスです。
幼少時の辛い、或は、悲しい体験を実際に臨場感を持って味わい、
その閉じ込められた記憶を経験することにより、クライアントは
記憶と体験による呪縛から解放されるのです。
大人の意識から修正しようとしても変わらなかった反応が、
年齢退行によって自然にほどけていくのは、このためです。
年齢退行療法は新しい技法を加える学びではありません。
これまで身につけてきた催眠技法を、
より根源的なレベルで機能させるための土台となります。
基礎を学んだからこそ見えてくる次の扉、
それが、年齢退行療法なのです。
年齢退行療法を学ぶことは、
単にクライアントの過去を扱えるようになることではありません。
それは、ヒプノセラピスト自身が「人の悩みはどこで、どのように生まれるのか」。
これらを体感的に理解していくプロセスでもあります。
幼少期の体験に触れることで、
私たちは“問題を解決しようとする立場”から、
“その反応が生まれた背景を明らかにする立場”へと自然に移行します。
その為に、セッションの質は技術以前に在り方として変化していきます。
基礎を学び、催眠の良さを知ったからこそ、
より安全により深く使う力が培われます。
年齢退行療法は、その基礎から引き続き、
ヒプノセラピストとして成熟していくための大切な学びなのです。


