新刊、「がん患者を支える催眠療法」が世に出ました。
この中で、「白隠禅師」の逸話が載っています。
それは、白隠禅師の檀家の娘が妊娠して、
父親は白隠禅師だと言ったのです。
娘の父親が怒鳴り込んで来て、白隠禅師に
「お前が父親だそうだな」となじった。
白隠禅師は「ほう、そうか」と答えただけだった。
赤ん坊が生まれると、娘の両親は白隠禅師の元に
連れて来た。
白隠禅師はその赤ん坊を慈しみ、育てた。
一年が経ち、娘は慙愧に萎えられなくなって、
父親は近所の若者だと自白した。
娘の父親は、詫びて「赤ん坊を引き取らせてもらいます」
と告げた。
白隠禅師は「ほう、そうか」と言って、赤ん坊を返した。
白隠禅師の態度は、ただ「ほう、そうか」と、流れる水の
ごとく自由です。
今、この瞬間に起こっている出来事と一体化し、それゆえ
どんな出来事にも左右されない心の持ち主だったのです。
「ほう、そうか」という言葉には、出来事を認めている
訳でもないし、否定している訳でもない。
ただ、現実をあるがままに受け入れる中立な言葉ですね。
「ほう、そうか」「へえ~、そうなんだ」
こんな言葉を使いたいですね。
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